日本画と洋画の査定ポイントの違いとは?


絵画の査定では、一般的に**「誰が描いたか(作家)」「作品の状態」「付属品の有無」**が重要なポイントになります。しかし、日本画と洋画では、使用する画材や技法が異なるため、それぞれ特有の査定ポイントがあります。

ここでは、日本画と洋画の査定ポイントの違いを、わかりやすく解説します。

日本画の査定ポイント

日本画は、和紙や絹などの天然素材に、岩絵具、水干絵具、墨、金箔など天然由来の画材を用いて描かれます。このため、湿気や紫外線に弱いという特性があり、その保存状態が査定に大きく影響します。

  • 紙のシミや和紙の焼け:湿気によるシミや、紫外線による和紙の焼けは、日本画の価値を大きく下げる要因となります。

  • 絵の具の剥落や変色:岩絵具は定着しにくく、衝撃などで剥がれやすい性質があります。また、経年による絵の具の退色もチェックポイントです。

  • 表具(ひょうぐ)の状態:掛軸や額装など、作品を仕立てる表具も査定の対象です。破れやシワ、カビがないかを確認します。

洋画の査定ポイント

洋画は、主にキャンバスに油絵具や水彩絵具を用いて描かれます。油絵具は長持ちする一方で、経年劣化によるひび割れなどが起きやすいという特徴があります。

  • ひび割れ(クラック)や絵の具の剥落:油絵は、乾燥や温度・湿度の変化により、表面にひび割れや亀裂が生じることがあります。大きなひび割れは修復が困難なため、査定額に大きく影響します。

  • キャンバスの状態:キャンバスのたるみ、破れ、カビなども査定のポイントです。

  • 額縁:作品とセットで考えられることが多く、作品に合ったオリジナルの額縁や、状態の良い額縁はプラスの評価につながることがあります。

日本画と洋画に共通する査定ポイント

日本画と洋画に共通して重要視されるのは以下の点です。

  • 作家の知名度と人気:査定において最も重要な要素です。著名な作家の作品は市場での需要が高く、高額査定になりやすいです。

  • 落款(サイン)・共シール:作品に作家のサインや印が記されているか、また共シール(作品名や作家名が記された、額裏などに貼られるシール)の有無は、真贋の証明として非常に重要です。

  • 付属品:鑑定書、来歴証明書、共箱(作家自身が作品のために作った箱)など、作品の来歴を証明する付属品は、査定額を大きく左右します。

まとめ

日本画と洋画の査定ポイントは、それぞれの**「画材と支持体」**の特性に由来する「保存状態」の違いにあります。

  • 日本画は**「シミ・焼け・カビ」「表具」**の状態

  • 洋画は**「ひび割れ・剥落」「キャンバス」**の状態

これらのポイントを事前に確認しておくことで、よりスムーズで適正な査定を受けることができます。

このブログの人気の投稿

【初心者向け】長期積立投資の始め方と成功の秘訣:老後資金を増やす3つのメリットと注意点

これ売れるかも!?買取市場で人気の「意外なジャンル」と高く売れる理由

【失敗しない!】彫刻作品を売る前に知っておきたい3つの注意点と高価買取の秘訣