投資信託とETF、どっちがいいの?初心者が知っておきたい違いと選び方
「投資を始めてみたいけど、何から手をつければいいかわからない…」そう思っているあなた。資産形成の方法を調べていると、「投資信託」や「ETF」という言葉をよく目にしませんか?名前は似ているけれど、一体何が違うのか、そして自分にはどちらが合っているのか、迷ってしまいますよね。
この記事では、投資信託とETFの主な違いを初心者にも分かりやすく解説します。それぞれのメリット・デメリットや、どのような人に向いているかまで、しっかりとお伝えするので、この記事を読めば、あなたの投資デビューへの第一歩がぐっと楽になるはずです。
投資信託とETFの基本をおさらいしよう
まず、投資信託とETFがどんなものか、簡単に確認しておきましょう。
どちらも、たくさんの投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用のプロ(ファンドマネージャー)が株式や債券などに分散投資してくれる金融商品です。
この「分散投資」がポイントで、一つの銘柄に集中して投資するよりもリスクを抑えられるのが大きなメリットです。
投資信託とETF、一番の大きな違いは「上場しているか」
投資信託とETFの最も大きな違いは、「証券取引所に上場しているかどうか」です。
投資信託:非上場
基準価額が1日に1回しか算出されません。
購入や売却は、証券会社の窓口やウェブサイトを通じて行います。
取引は、設定された日の「基準価額」に基づいて行われるので、リアルタイムでの価格変動はありません。
ETF(上場投資信託):上場
株式と同じように、証券取引所でリアルタイムに取引されます。
株価のように価格が常に変動しており、日中に好きなタイミングで購入・売却できます。
株式と同じように、指値注文や成行注文といった取引方法が使えます。
この「上場しているか否か」が、取引方法や価格決定、ひいてはコストや投資のしやすさに大きな違いを生み出します。
投資信託とETF、具体的な違いを徹底比較!
ここでは、両者の違いをさらに詳しく見ていきましょう。
比較ポイント | 投資信託 | ETF |
取引方法 | 1日1回の基準価額で売買 | 証券取引所でリアルタイム売買 |
価格 | 1日1回決定 | 株式のように常に変動 |
最低購入金額 | 証券会社によっては100円から積み立て投資が可能 | 株式と同様、1口あたりの価格が最低購入単位 |
購入タイミング | 申し込み日の翌営業日以降に約定 | リアルタイムで自由に売買可能 |
コスト | 信託報酬がETFより高い傾向 | 信託報酬が低い傾向に加え、売買ごとに手数料が発生 |
分配金 | 自動で再投資される商品が多い | 原則として現金で受け取る |
商品の豊富さ | 初心者向けのバランス型など、種類が非常に豊富 | 個別株よりは少ないが、様々な指数に連動する商品がある |
向いている人 | 初心者、少額からつみたて投資をしたい人 | 自分で取引のタイミングを見極めたい人 |
1. 取引方法と価格決定の仕組み
投資信託は、私たちが注文した時点では価格が決まっていません。その日の取引がすべて終わった後、その日の終値をもとに算出される「基準価額」で約定します。そのため、注文した日の価格変動を気にすることなく、ゆっくりとドルコスト平均法を活用しながら積み立て投資をしたい人に向いています。
一方、ETFは株式と同じように、取引時間中であればリアルタイムで価格が変動します。そのため、株価の動きを見ながら「今だ!」というタイミングで売買できるのが魅力です。
2. コスト(手数料)の違い
どちらも保有している間にかかる「信託報酬」というコストがあります。一般的には、ETFの信託報酬の方が低い傾向にあります。
しかし、ETFは株式と同じように売買するたびに売買手数料がかかります。一方、投資信託は購入・売却手数料が無料のものが増えています。
トータルでかかるコストを比較し、自分の投資スタイルに合った方を選ぶことが大切です。
3. 分配金の扱い
投資信託では、分配金が自動的に再投資される商品が多く、複利の効果で効率的に資産を増やせます。自分で手続きをする手間が省けるのも嬉しいポイントです。
ETFは、分配金が原則として現金で支払われます。再投資したい場合は、自分で改めて購入手続きをする必要があります。
4. 最低購入金額とNISAでの活用
投資信託は、証券会社によって100円といった少額からつみたてNISAの投資枠を利用して積み立て投資が可能です。お小遣い感覚で始められるので、初心者でも始めやすいのが特徴です。
一方、ETFは1口あたりの価格が最低購入金額となるため、銘柄によっては数万円〜数十万円が必要になることもあります。
あなたはどっち?投資スタイル別おすすめガイド
ここまで違いを見てきましたが、「結局、自分はどっちがいいの?」と悩んでいる方もいるかもしれません。あなたの投資スタイルに合わせて、どちらがおすすめか見ていきましょう。
「とにかく手間をかけずに、コツコツと積み立てたい」
→ 投資信託がおすすめです。
毎月決まった金額を自動で積み立てることができ、価格の変動を気にせず、ドルコスト平均法で安定した運用が目指せます。つみたてNISAの利用もスムーズです。
「自分で取引のタイミングを判断したい」
→ ETFがおすすめです。
リアルタイムの価格で売買できるので、市場の動きを細かく見ながら、自分のタイミングで取引したい人に向いています。
「コストをできるだけ抑えたい」
→ 信託報酬が低いETFがメリットになります。
ただし、頻繁に売買すると手数料がかさむため、注意が必要です。
まとめ
投資信託とETFは、どちらも分散投資ができる優れた金融商品ですが、上場しているかどうかという根本的な違いから、取引方法やコスト、利便性に違いがあります。
初心者がつみたて投資を始めるなら、少額から始められて手間がかからない投資信託がおすすめです。一方で、コストを徹底的に抑えたい、リアルタイムで取引したいといった明確な目的があるなら、ETFも有力な選択肢となります。
どちらも一長一短ありますので、それぞれの特徴を理解した上で、ご自身の投資目標やライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
この記事が、あなたの資産形成の第一歩を後押しするヒントになれば嬉しいです。